シャチハタのインクが薄くなってきてインクを補充しようと思ったときに、100均のインクでも大丈夫かな?と考えることがありますよね。
世間一般では、朱肉のいらない印鑑をまとめてシャチハタと呼んでいますが、実際はシャチハタは商品名ではなく種類がたくさんあります。
インクの補充方法や種類も違っているので、対応していない種類のインクを補充してしまうと使えなくなってしまうことも。
そんなシャチハタにまつまる話とインクの補充について、詳しく説明します。
「シャチハタ」とは実は企業名!商品名ではありません。
「シャチハタ」という言葉は実は企業名だということをご存知でしたか?
シヤチハタ株式会社は、名古屋市に本社を構え、印鑑やスタンプ、その他文房具を製造・販売している会社です。
シヤチハタの主要製品である朱肉がいらないスタンプは「Xスタンパー」というブランドの中の「ネーム印」というカテゴリーで販売されています。
100均で販売されている朱肉がいらない印鑑は、プッシュスタンプとか、リピート印という商品名になっています。
朱肉のいらないシヤチハタのネーム印は、その人気と普及により「シャチハタ」という名前で広く認知されるようになりました。
特に、同社の代表的な商品「ネーム9」は広く使われています。
また、朱肉のいらない他社製品も含めてシャチハタという呼び名が定着してしまっています。
100円ショップの補充インクは正規品のシャチハタに使用可能?
低価格で販売されている100円ショップの補充インクは、他社の補充インクと比べて非常にリーズナブルです。
しかし、節約のために専用インクの代わりにこれらを使用することはお勧めしません。
シャチハタ式印鑑に非専用のインクを使用すると、インクの目詰まりが発生し、使用不能になるリスクがあります。
100円ショップのリピート印もシャチハタの補充インクを使用すると、インクの目詰まりが発生し、使用不能になるリスクがあります。
シャチハタのネーム印には、専用の補充インクだけ使用するようにしてください。
100円ショップのリピート印と正規のシャチハタの違い
手軽に購入できる100円ショップのリピート印と正規品のシャチハタとの違いは何でしょうか?
それは、価格と使用可能回数、インクの種類が違います。
項目 | 100円ショップ | シャチハタ |
---|---|---|
価格(税込) | 110円 | 1,595円 |
使用可能回数 | 約6千回 | 約1万回 |
インクの種類 | 染料系 | 油性顔料 |
正規品のシャチハタは価格が高いですが、Amazonや楽天では1,000円前後で販売されていることもあります。
シャチハタは価格は高めですが、日常的に多用するビジネスシーンでは正規のシャチハタの使用が推奨されます。
公式製品は均一に綺麗に押せるため、ビジネス文書に適しています。
専用の補充インクもAmazonで2本260円で販売されており、カートリッジ交換式なので使いやすいです。
ビジネスシーンでの印鑑のにじみは好ましくなく、不適切な印象を与える可能性があります。
信頼感を大切にし、正規品のシャチハタで綺麗に押すことをお勧めします。
一方で家庭用としては100円ショップのリピート印が大変便利です。
家庭での利用では公的な用途が少なく、受領印や回覧版、確認印に役立ちます。
また、急に必要になった際に100円ショップのリピート印はすぐ購入できるので家庭用としてなら最適な選択肢になります。
100円ショップのリピート印と正規のシャチハタのインクの違い
「100均のリピート印は使用不可」とされることがありますが、なぜでしょうか?
これはインクの違いによるものです。
正規品のシャチハタは、油性インクが使用されており、これにより押印が長期間にわたって消えにくい特性を持っています。
一方で、100均のリピート印のインクは水性インクが使用されており、長い時間が経過すると消える可能性が高いです。
油性ペンの書き込みが長持ちするのに対し、水性ペンで書いた内容は時間が経つと消えることがあるのと同じです。
したがって、100均のリピート印は品質が低いと認識することが重要です。
シャチハタ式印鑑のインク補充方法は3つ
シャチハタ式印鑑のインク補充には、製品によって大きく分けて3つの方法が存在します。
- カートリッジ交換式
- 内部補充式
- 印面1~3滴補充式
カートリッジ交換式
カートリッジ式のシャチハタ式印鑑では、インク自体がカートリッジになっています。
これにより、古いカートリッジを取り外し、新しいものをセットするだけで簡単に補充が可能です。
この方法は3つの中で最も手軽です。手順は以下の通りです。
カートリッジの交換手順
- 交換用インクを準備する。
- 本体ホルダーを外して、古いカートリッジを取り出す。
- 新しいカートリッジをセットする。
- 本体ホルダーを元に戻す。
- 印面を下にして数時間放置する。
- 印鑑の使用が可能かを確認する。
本体ホルダーの取り外し方、インクの放置時間、カートリッジの価格はメーカーや種類によって異なります。
印面を下にして放置することで、新しいインクが印面に浸透しやすくなります。
カートリッジ交換式を採用している主な製品のタイプとインクの浸透時間、インク1本あたりの価格を把握することが重要です。
カートリッジ交換式のシャチハタ式印鑑
各メーカーのカートリッジ交換式シャチハタ式印鑑の種類、インク浸透時間の目安、インク単価は以下の通りです。
メーカー | 種類 | インク浸透時間 | インク価格 |
---|---|---|---|
シヤチハタ | ネーム9、ネーム6、ブラック8、ネームエル | 約12時間 | ネーム6・ネーム9・ブラック8: 187円、ネームエル: 374円 |
サンビー | クイックネームペンCP9 | 約5~6時間 | 165円 |
※価格は税込。メーカー希望小売価格を基にしています。
ネーム6、ネーム9、ブラック8の補充インクは2本セットで販売され、交換コストは本体購入よりも低価格です。
オンラインショップではさらに割安な価格で提供されている場合があります。
内部補充式
内部補充式の朱肉がいらない印鑑では、印鑑ホルダーの内部にある補充口からインクを補充します。
補充手順は以下のとおりです。
インク補充手順
- 交換用インクを用意する。
- 本体ホルダーを外して補充口を出す。
- 補充口からインクを入れる。
- 本体ホルダーを再装着する。
- 印面を下向きにして数時間放置。
- 印鑑の使用が可能かを確認。
補充するインクの量は印鑑によって異なり、インクの浸透時間や1本あたりの価格も種類によって変わります。
内部補充式のシャチハタ式印鑑
メーカー | スタンプの種類 | インク補充量 | インク浸透時間 | インクの価格 |
---|---|---|---|---|
シヤチハタ | ブラック11、ブラック16、スクエアネーム12 | 吸蔵体の吸収可能量 | 約12時間 | 75円 |
ブラザー | ネーム印 | 1本分 | 約1時間 | オープン価格 |
サンビー | クイックシリーズ、クイックCシリーズ | 吸蔵体の吸収可能量 | 約5~6時間 | 385円 |
※価格は税込。メーカー希望小売価格を基にしています。
シヤチハタのブラックシリーズやサンビーのクイックシリーズなど、インク補充量が特に定められていない製品もあります。
これらの製品では、インク補充口からインクを注ぎ、インキ吸蔵体が適切にインクを吸収しているかを確認しながら進める必要があります。
吸蔵体の容量を超える量のインクを注入すると、インクの漏れや印影の不鮮明などの問題が発生する可能性があります。
シヤチハタの補充用インクは5本セットで340円(税抜き)で販売されており、1本あたり0.3mlの価格は約68円です。
ブラザーのネーム印用の補充インクはオープン価格ですが、一部のオンラインショップでは1本580円プラス送料で販売されています。
サンビーの補充用インクは10ml入りで1本350円(税抜き)です。
印面1~3滴補充式
印鑑の印面に直接1〜3滴のインクを滴下して補充する方式も存在します。
本体のホルダーが引き抜けない複雑な構造のシャチハタスタンプでは、この方法が一般的です。
補充手順は以下のとおりです。
インク補充手順
- 補充用インクを用意する。
- 印面を露出させる。
- 印面に1〜3滴のインクを滴下する。
- 数時間浸透させる。
- 捺印可能かをテストする。
印面1~3滴補充式の朱肉がいらない印鑑
メーカー | 種類 | インク補充量 | インク浸透時間 | インクの価格 |
---|---|---|---|---|
シヤチハタ | キャップレス9、プチネーム、プチらっかん、キャップレスネーム、スタンディングネーム、ジャポン | 1滴 | 3時間 | 528円 |
サンビー | リップネーム | 数滴 | – | 385円 |
タニエバー | Gシリーズ(9mm=2滴、5mm=1滴) | – | – | 220円 |
※価格は税込。メーカー希望小売価格を基にしています。
シヤチハタではインク補充量を1滴程度に限定していますが、他のメーカーでは印面に吸収できる量までとしています。
タニエバーの場合は、印面サイズに応じて2滴または1滴を目安にしています。
インクが印面からあふれることを避けるため注意が必要です。
浸透時間は、内部からの補充方式に比べて短い傾向があります。
インクが印面にしっかりと染み込んだかを確認し、テスト印を押してみましょう。
インクの価格は容量によって異なります。
シヤチハタは20ml、サンビーは10ml、タニエバーは5mlの容量で販売されています。
100均以外のシャチハタ式印鑑のインク補充における重要な注意事項
シャチハタ式印鑑のインク補充時に留意すべきポイントは次の通りです。
- 専用インクの使用
- インクの減少を待ってから補充
- 印面の清掃
専用インクの使用
シャチハタ式印鑑には、それぞれに合わせた専用のインクが存在します。
インクを交換する際は、必ずその専用インクを使用しましょう。
非専用インクを使用すると、インクの目詰まりなどのリスクが格段に高まります。
インクには顔料系と染料系の2種類があり、これらは粒子の大きさや性質が異なります。
混合して使用すると、印面の目詰まりを引き起こす恐れがあり、一度目詰まりが発生すると修復が難しいです。
また、シャチハタ式印鑑のインクは一部印鑑専門店には常備されていない場合があるため、シャチハタ式印鑑購入時に専用インクも一緒に購入しておくことが望ましいです。
インクの減少を待ってから補充
シャチハタ式印鑑は、ある程度の捺印回数が設定されています。
長期間の使用によりインク切れが心配になることもありますが、インクが完全に減る前の早めの補充は避けましょう。
インクが残っている状態で補充すると、インク吸蔵体が過剰にインクを吸収し、漏れる可能性があります。
例えばシヤチハタのネーム9では、12時間放置しても印影が薄い場合に補充を推奨しています。
印面の清掃
インク補充後でも印影が鮮明でない場合、主な原因として次の2点が考えられます。
- 印面の汚れ
- 耐久性の限界
シャチハタ式印鑑の印面が汚れている場合、スポンジの穴に細かいゴミが詰まり、インクの流れが阻害されている可能性があります。
この問題を解決するには、セロテープを使うと効果的です。印面をセロテープに押し付けて、細かなゴミを取り除きましょう。
もしゴミ除去後も印影が不明瞭な場合、印面の耐久性が限界に達している可能性が高いです。
例えば、シヤチハタ製のネーム9は最大10万回の捺印が可能です。
初めてのインク補充時には既に3,000~5,000回の使用があったと仮定すると、約20~30回のインク補充で寿命が尽きる計算になります。
ただし、これはあくまで理論上の計算で、実際の使用状況によって捺印数は変わります。
もし掃除やインク補充を行っても満足のいく印影が得られない場合は、新しいシャチハタ式印鑑を検討する時期かもしれません。
100円ショップのシャチハタ式印鑑のインク補充方法
100円ショップで購入したリピート印にもインク補充が可能です。
100均のリピート印は、シヤチハタのネーム9に似た構造を持っていますが、インク補充するには留意点があります。
印面に1滴のインクを補充
100円ショップのリピート印のインク補充方法は、印面に1滴のインクを垂らす方式です。
100円ショップでは、リピート印専用の補充インクも100円で手に入ります。
この補充方法は大手メーカーの製品と同様で、印面に1滴のインクを滴下し、数時間浸透を待つだけです。
100円ショップのリピート印は印面が小さいため、補充するインクの量は1滴が適量です。
1滴以上垂らすと、印面から溢れ出る恐れがあるので注意が必要です。
まとめ
正規品のシャチハタには100円ショップのインクを補充すると使えなくなるリスクが高いので、シャチハタ専用インクを補充するようにしましょう。
また、100均を含め、シャチハタ式印鑑は、それぞれに専用の補充インクが販売されています。
シャチハタ式印鑑を長持ちさせるためにも、専用インクを補充するようにしましょう。